相続財産に株・投資信託がある場合の対処法|手続きと注意点を解説
【この記事でわかること】
・相続財産に株式・投資信託が含まれる場合に必要な手続き
・証券口座の相続手続きの流れと必要書類
・株式の相続税評価額の計算方法
・相続した株式を売却する場合の注意点
・手続きを放置した場合のリスク
「親が亡くなって、証券会社から郵便物が届いた。株や投資信託はどうすればいいの?」
「株は相続税の対象になるの?評価額はどうやって計算するの?」
相続財産に株式・投資信託が含まれる場合は、証券口座の相続手続きが必要です。手続きをせずに放置すると、株式が凍結されたまま売却も配当も受け取れなくなります。この記事では、株式・投資信託の相続手続きと注意点を解説します。
まず証券会社に相続の連絡をする
被相続人が証券口座を持っていた場合、まず証券会社に死亡の連絡をします。
連絡すると口座が凍結され、取引・売却・配当金の受取が停止されます。ただし、早めに連絡しておくことで、その後の手続きがスムーズに進みます。
連絡先の確認方法
- 被相続人宛の郵便物(取引報告書・残高報告書)に証券会社名と口座番号が記載されている
- 証券会社のウェブサイトで問い合わせ先を確認する
相続財産の調査方法については、こちらも参考にしてください。
→ https://dept-zero-navi.com/souzoku-zaisan-chousa
証券口座の相続手続きの流れ
STEP1|証券会社に相続の連絡をする
電話またはウェブサイトから連絡し、相続手続きの書類を取り寄せます。
STEP2|必要書類を準備する
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 被相続人の戸籍謄本(出生〜死亡) | 全相続人を確認するため |
| 相続人全員の戸籍謄本 | |
| 遺産分割協議書(または遺言書) | 株式を取得する相続人を特定 |
| 相続人全員の印鑑証明書 | |
| 株式を受け取る相続人の証券口座情報 | 移管先の口座 |
証券会社によって必要書類が異なる場合があるため、事前に確認しましょう。
STEP3|株式の移管または売却
- 移管:相続人名義の証券口座に株式・投資信託を移す
- 売却:相続後に換価して相続人に分配する
相続人が証券口座を持っていない場合は、まず口座を開設する必要があります。
株式の相続税評価額の計算方法
株式は相続税の課税対象になります。評価方法は株式の種類によって異なります。
上場株式の評価方法
以下の4つのうち、最も低い価額を使います。
- 相続開始日(死亡日)の終値
- 相続開始日が属する月の毎日の終値の平均額
- 相続開始日が属する月の前月の毎日の終値の平均額
- 相続開始日が属する月の前々月の毎日の終値の平均額
投資信託の評価方法
相続開始日の基準価額(1口当たりの価格)をもとに評価します。
評価額の計算は複雑なため、相続税の申告が必要な場合は税理士への相談をおすすめします。
相続した株式を売却する場合の注意点
相続した株式を売却する場合、取得費の計算に注意が必要です。
相続で取得した株式の取得費は、被相続人が購入した際の価格(取得価額)を引き継ぎます。売却益(譲渡益)に対して約20%の税金(所得税・住民税)がかかります。
取得価額の記録(証券会社の購入明細・特定口座年間取引報告書)を保管しておくことが重要です。
手続きを放置するとどうなるか
証券口座の相続手続きを放置すると以下のリスクがあります。
- 株式が凍結されたまま売却・換金ができない
- 配当金・分配金が受け取れない
- 企業が合併・上場廃止になると株式の処理が複雑になる
- 次の相続が発生するとさらに権利関係が複雑になる
証券会社によっては、一定期間手続きをしないと特別な管理状態になることもあります。早めに手続きを進めることが重要です。
よくある質問
Q1. 相続した株式は、すぐに売却しなければいけませんか?
A. すぐに売却する義務はありません。名義変更(移管)をしてから、相続人が任意のタイミングで売却できます。ただし、株価の変動リスクがあるため、売却タイミングは慎重に判断してください。
Q2. 被相続人の証券口座を相続人が勝手に操作してしまいました。問題になりますか?
A. 死亡後に被相続人名義の口座で取引・換金をすると、相続財産の横領と見なされる可能性があります。証券会社への連絡前に操作してしまった場合は、早めに他の相続人・弁護士に相談してください。
Q3. 相続放棄をした場合、株式も放棄の対象になりますか?
A. はい、相続放棄をすればすべての財産(株式も含む)を放棄することになります。プラスの財産だけを受け取ることはできません。
Q4. 投資信託を相続した場合、すぐに解約することはできますか?
A. 名義変更(移管)が完了した後であれば、相続人が自分の口座で解約・換金することができます。名義変更前に解約・換金することはできません。
まとめ
相続財産に株・投資信託がある場合の対処法をまとめます。
- まず証券会社に相続の連絡をして手続き書類を取り寄せる
- 遺産分割協議書・戸籍謄本・印鑑証明書などを準備して名義変更手続きをする
- 株式の評価は4つの終値のうち最も低い価額を使う
- 相続した株式を売却する場合は取得費の確認と譲渡税の計算が必要
- 手続きを放置すると凍結・配当不受取・複雑化のリスクがある
- 複雑な場合は税理士・司法書士への相談を検討する
株式・投資信託の相続は、手続きが煩雑なため早めに着手することが大切です。証券会社に連絡するところから始めましょう。