この記事でわかること
・法定相続分の基本
・遺産分割協議の進め方
・トラブルになりやすいケースと対処法
・遺産分割調停・審判の流れ
親が亡くなって兄弟が複数いる場合、遺産をどのように分けるかは難しい問題です。話し合いがまとまらずにトラブルになるケースも少なくありません。この記事を読めば、相続人が複数いる場合の遺産分割の方法とトラブルを防ぐポイントが完全にわかります。
法定相続分とは
法定相続分とは、法律で定められた相続人ごとの相続割合のことです。
相続人と法定相続分の基本
配偶者と子どもがいる場合
・配偶者:2分の1
・子ども全員で:2分の1(複数いる場合は均等に分ける)
配偶者と親がいる場合(子どもなし)
・配偶者:3分の2
・親全員で:3分の1
配偶者と兄弟姉妹がいる場合(子ども・親なし)
・配偶者:4分の3
・兄弟姉妹全員で:4分の1
法定相続分はあくまで目安であり、相続人全員の合意があれば異なる割合で分けることも可能です。
遺産分割協議の進め方
①相続人全員を確認する
まず戸籍謄本を収集して相続人が誰であるかを確認します。認知した子ども・養子なども相続人になります。
②財産・負債の全容を把握する
預貯金・不動産・有価証券・借金など全ての財産と負債を一覧にします。
詳しくはこちら
→「相続財産の調査方法|親の財産・借金を正確に把握する手順」
③全員で話し合いをする
相続人全員で遺産の分け方について話し合います。全員の合意が必要です。一人でも反対すると協議が成立しません。
④遺産分割協議書を作成する
合意内容を「遺産分割協議書」として書面にまとめ、全員が署名・押印します。この書類は不動産の名義変更などに必要になります。
トラブルになりやすいケースと対処法
ケース①不動産の分け方でもめる
不動産は現金と違って分けにくいため、トラブルになりやすいです。
対処法:
・一人が相続して他の相続人に代償金を払う(代償分割)
・売却して現金を分ける(換価分割)
・全員で共有する(ただしその後のトラブルのもとになりやすい)
ケース②一人が親の介護をしていた場合
親の介護をしていた相続人は「寄与分」として多く相続できる場合があります。ただし認められるには介護の実績を証明する必要があります。
ケース③連絡が取れない相続人がいる
連絡が取れない相続人がいる場合、家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任を申立てることで手続きを進められます。
ケース④相続人に未成年がいる
未成年の相続人は法定代理人(親)が代わりに手続きをしますが、親も相続人の場合は利益相反になるため「特別代理人」の選任が必要です。
遺産分割調停・審判
話し合いがまとまらない場合は家庭裁判所に調停を申立てることができます。
遺産分割調停
調停委員が間に入って話し合いを進めます。調停で合意できれば調停調書が作成されます。
遺産分割審判
調停が不成立の場合、裁判官が遺産の分け方を決定します。審判の決定には強制力があります。
トラブルを防ぐポイント
①親が元気なうちに遺言書を作成してもらう
遺言書があれば、相続人間での話し合いが不要になる場合がほとんどです。
詳しくはこちら
→「遺言書の種類と作り方|親に遺言書を書いてもらう方法」
②弁護士・司法書士に早めに相談する
トラブルの兆しがある場合は早めに専門家に相談することで、問題が大きくなる前に解決できます。
よくある質問
Q.相続人全員の合意なしに遺産を分けることはできますか?
A.できません。一人でも反対すると遺産分割協議は成立しません。合意が得られない場合は調停・審判に進みます。
Q.遺産分割協議書は自分で作れますか?
A.作れますが、記載内容に不備があると不動産の名義変更などができない場合があります。弁護士・司法書士に依頼することをおすすめします。
Q.相続放棄した人も遺産分割協議に参加する必要がありますか?
A.相続放棄した人は相続人ではないため、協議に参加する必要はありません。
Q.遺産分割協議後に新たな財産が見つかった場合はどうなりますか?
A.新たに見つかった財産について改めて遺産分割協議が必要になります。
まとめ
相続人が複数いる場合の遺産分割についてポイントをおさらいします。
・法定相続分は目安であり全員の合意で変更できる
・遺産分割協議書は全員の署名・押印が必要
・不動産・介護・連絡が取れない相続人がトラブルになりやすい
・まとまらない場合は調停・審判に進む
・親が元気なうちに遺言書を作成してもらうのが最善
一人で悩まずに、まずは無料相談で専門家に状況を話してみてください。
関連記事:相続放棄についてはこちら
→「親の借金は子どもに引き継がれる?相続と借金の関係を解説」