相続財産に預金以外のものがある場合の対処法|種類別の手続きを解説
【この記事でわかること】
・相続財産として扱われる預金以外の財産の種類
・不動産・株式・生命保険・車・貴金属それぞれの手続きと注意点
・財産の評価方法と相続税への影響
・名義変更・解約・売却など財産ごとに異なる手続きの流れ
・早めに動くべき理由と専門家への相談タイミング
「親が亡くなったが、預金通帳のほかに不動産・車・株の通知書なども出てきた。どうすればいい?」
「財産の種類が多すぎて、何から手をつければいいかわからない」
相続財産は預貯金だけとは限りません。不動産・株式・生命保険・車・貴金属など様々なものが含まれることがあります。財産の種類によって手続きや期限が異なるため、早めに全体像を把握することが重要です。
目次
相続財産の種類一覧
相続の対象となる財産には「プラスの財産」と「マイナスの財産(借金・債務)」があります。
プラスの財産
- 預貯金(銀行・郵便局・ネット銀行)
- 不動産(土地・建物・マンション)
- 株式・投資信託・債券
- 生命保険の死亡保険金(受取人が相続人の場合)
- 自動車・バイク
- 貴金属・骨董品・美術品
- ゴルフ会員権・リゾート会員権
- 著作権・特許権などの知的財産権
- 未収の給与・年金・地代・家賃
マイナスの財産
- 銀行ローン・住宅ローン
- 消費者金融・クレジットカードの残債
- 保証債務(連帯保証人になっている借金)
- 未払いの税金・社会保険料
相続財産の全体調査については、こちらも参考にしてください。
→ https://dept-zero-navi.com/souzoku-zaisan-chousa
不動産の場合|相続登記が必要
不動産は相続登記(名義変更)が必要です。2024年4月から相続登記が義務化されており、相続を知った日から3年以内に手続きが必要です。
手続き先:法務局(不動産の所在地を管轄する法務局)
必要書類:戸籍謄本・遺産分割協議書・固定資産税評価証明書など
詳しくはこちらでも解説しています。
→ https://dept-zero-navi.com/souzoku-fudousan-meigi-henko
株式・投資信託の場合|証券口座の名義変更
株式・投資信託は、証券会社の口座名義を相続人に変更する手続きが必要です。
手続きの流れ
1. 証券会社に相続の連絡をする
2. 必要書類(戸籍謄本・遺産分割協議書・印鑑証明書など)を提出する
3. 相続人名義の口座に移管する(口座がない場合は新規開設が必要)
証券会社によって手続きの方法・書類が異なるため、早めに証券会社に問い合わせましょう。手続きを放置すると、配当金の受取や株式の売却ができなくなります。
生命保険の死亡保険金の場合|受取人が手続き
生命保険の死亡保険金は、受取人が保険会社に請求する手続きが必要です。相続財産とは別に扱われる(受取人固有の財産)ため、遺産分割協議の対象にはなりません。
請求期限:原則3年以内(保険会社によって異なる)
死亡保険金は、相続税の非課税枠(500万円×法定相続人の数)が適用されます。早めに保険会社に連絡して請求手続きを進めましょう。
自動車の場合|陸運局で名義変更
自動車は陸運局(運輸支局)で相続による名義変更手続きが必要です。
必要書類
- 遺産分割協議書
- 相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明書
- 車検証
- 移転登録申請書
名義変更をしないまま廃車・売却した場合にトラブルになることがあるため、早めに手続きしましょう。
貴金属・骨董品・美術品の場合|評価と分割方法
現物財産は「どのように分けるか」が問題になります。
対処法
- 鑑定士や専門業者に査定を依頼して価値を把握する
- 相続人間で現物を分けるか、売却して現金化するかを協議する
相続税の申告対象になる財産は時価で評価されます。価値が高い骨董品・美術品などは税理士への相談をおすすめします。
よくある質問
Q1. 相続財産の種類が多くて把握しきれません。どこから調べればいいですか?
A. まず被相続人の郵便物・通帳・保険証書・固定資産税の通知書を確認しましょう。金融機関には「残高証明書」の発行を請求できます。不明な点は弁護士・司法書士・税理士に相談することをおすすめします。
Q2. 遺産分割協議前に株式・不動産を勝手に処分してもいいですか?
A. 原則として遺産分割協議が成立するまで、勝手に相続財産を処分することはできません。無断での処分は他の相続人から問題にされる可能性があります。
Q3. 名義変更を放置するとどうなりますか?
A. 不動産は放置すると義務化された相続登記の期限を過ぎて過料の対象になります。株式は名義変更前に企業が解散・上場廃止になるリスクもあります。財産の種類にかかわらず、早めに手続きを進めることが重要です。
Q4. 相続財産に借金があった場合、どうすればよいですか?
A. 借金がプラスの財産を上回る場合は相続放棄や限定承認を検討します。3カ月の熟慮期間以内に判断する必要があるため、早めに弁護士・司法書士に相談してください。
まとめ
相続財産に預金以外のものがある場合の対処法をまとめます。
- 不動産:相続登記(名義変更)が義務化、3年以内に法務局へ申請
- 株式・投資信託:証券会社で名義変更手続き
- 生命保険:受取人が保険会社に請求(3年以内)
- 自動車:陸運局で名義変更
- 貴金属・美術品:鑑定後に現物分割または売却して分配
- まず財産の全体像を把握し、種類ごとに手続き先・期限を確認することが重要
財産の種類が多い場合は、司法書士・税理士・弁護士など専門家への相談を積極的に活用しましょう。