任意整理と住宅ローンの関係|組んでいる場合の注意点と対処法
【この記事でわかること】
・住宅ローン返済中に任意整理をする場合の基本的な考え方
・任意整理で住宅ローンを対象外にする方法とリスク
・住宅ローンを対象にしてしまった場合に起こること
・自宅を守りながら借金を整理する方法(個人再生との比較)
・任意整理後に住宅ローンを新たに組めるかどうか
「住宅ローンを返済中だけど、他の借金が増えてしまった。任意整理したら家はどうなる?」
「カードローンだけ任意整理して、住宅ローンはそのまま続けることはできる?」
住宅ローンを抱えながら他の借金が膨らんでしまった場合、「家だけは守りたい」という思いは当然です。任意整理は対象とする借金を選べる手続きのため、工夫次第で自宅を守りながら他の借金を整理することができます。この記事では、住宅ローン返済中に任意整理をする場合の注意点と対処法を解説します。
目次
任意整理は対象とする借金を選べる
任意整理の大きな特徴のひとつが「整理する借金を選択できる」点です。
住宅ローンを任意整理の対象から外し、カードローン・消費者金融・クレジットカードなどの借金だけを整理することが可能です。住宅ローンの返済を継続しながら、他の借金の利息をカットして返済額を圧縮できます。
→ 任意整理で整理できる借金の種類については、こちらを参考にしてください。
→ https://dept-zero-navi.com/ninni-seiri-gengaku-shakkin-shurui
住宅ローンを対象外にした場合のメリット・注意点
メリット
- 自宅を手放さずに他の借金を整理できる
- 住宅ローンの返済条件(金利・残高)はそのまま維持される
- 毎月の返済負担を減らすことで、住宅ローンの返済余力が生まれる
注意点
- 住宅ローンの返済を継続できる収入が必要
- 他の借金の整理後も、住宅ローン+生活費を賄える収入がなければ意味がない
- 銀行によっては任意整理をしたことを把握し、期限の利益の喪失を主張するケースがある(まれ)
住宅ローンと債務整理の関係については、こちらでも解説しています。
→ https://dept-zero-navi.com/saimu-seiri-jutaku-loan
住宅ローンを任意整理の対象にしてしまった場合
住宅ローンを任意整理の対象に含めてしまうと、以下のリスクが生じます。
・銀行が期限の利益を喪失させる可能性
住宅ローンの契約書には「他の借金で債務整理をした場合、ローン残高を一括返済する」という条項が含まれているケースがあります。この条項に基づいて、銀行が残高の一括返済を求めることがあります。
・自宅の競売リスク
一括返済に応じられない場合、銀行は担保(自宅)を競売にかけることができます。最悪の場合、自宅を失うことになります。
住宅ローンは任意整理の対象から必ず外し、返済を継続することが「自宅を守る」ための大原則です。
住宅ローンの返済自体が苦しい場合は個人再生を検討
他の借金ではなく、住宅ローンの返済自体が苦しくなってきた場合は、任意整理では対応が難しくなります。この場合は「個人再生(住宅ローン特則)」を検討することをおすすめします。
個人再生の住宅ローン特則とは?
住宅ローン以外の借金を大幅に減額(最大5分の1)しながら、住宅ローンの返済だけを継続することで、自宅を守ることができる制度です。
住宅ローン特則を使う条件
- 住宅ローンが残っている自宅であること
- 住宅ローン以外に住宅に担保が設定されていないこと
- 住宅ローンの返済を継続できる収入があること
個人再生と任意整理の違いについては、こちらを参考にしてください。
→ https://dept-zero-navi.com/kojin-saisei-ninni-seiri-chigai
任意整理後に住宅ローンを新たに組めるか
任意整理後(信用情報の登録期間中)は、新たな住宅ローンの審査は通りません。信用情報の登録期間(完済から約5年)が終わった後であれば、住宅ローンの審査に再挑戦できます。
ただし、信用情報が回復しても以下の要素が審査に影響します。
- 勤続年数・年収の安定性
- 他の借入状況
- 頭金の額
信用情報回復後は、フラット35(住宅金融支援機構)が比較的審査しやすいとされています。フラット35については別記事で詳しく解説予定です。
住宅ローンの返済が困難になった場合の緊急対応
住宅ローンの返済が数カ月滞ってしまった場合、早めに銀行に相談することで、返済猶予(条件変更)に応じてもらえるケースがあります。
銀行への相談で対応してもらえる可能性があること
- 返済期間の延長による月々の返済額の軽減
- 一定期間の元金据え置き(利息のみ返済)
- ボーナス返済分の一般月への振り替え
競売になる前に銀行に相談することが、自宅を守る最後の手段になる場合もあります。
よくある質問
Q1. 任意整理をすると、住宅ローンの金利が上がることはありますか?
A. 住宅ローンを任意整理の対象から外し、返済を継続していれば、金利が変更されることは基本的にありません。ただし変動金利の場合は市場金利の影響を受けます。
Q2. ペアローン(夫婦共同)の場合、一方が任意整理をするとどうなりますか?
A. 一方が任意整理をした場合、もう一方の返済義務はそのまま継続します。ただし銀行によっては、一方の債務整理を理由に残高の一括返済を求めるケースがあるため、担当の弁護士に事前に確認してください。
Q3. 任意整理後に住宅ローンを借り換えることはできますか?
A. 信用情報の登録期間中(約5年)は借り換えの審査が通りません。登録期間終了後に改めて検討することになります。
Q4. 住宅ローンを対象外にしても、任意整理の効果は十分ありますか?
A. 住宅ローン以外の借金(カードローン・消費者金融など)に対して利息のカット・分割返済の交渉ができるため、毎月の返済負担を大幅に減らせる効果があります。住宅ローンと生活費を賄える収入があれば、有効な手段です。
まとめ
任意整理と住宅ローンの関係をまとめます。
- 任意整理は住宅ローンを対象外にして、他の借金だけを整理できる
- 住宅ローンを対象外にすることで自宅を守りながら借金を整理できる
- 住宅ローンを対象に含めると一括請求・競売リスクがある
- 住宅ローン自体が苦しい場合は個人再生の住宅ローン特則が有効
- 任意整理後の信用情報登録期間中(約5年)は新たな住宅ローンは組めない
- 返済が苦しくなった場合は早めに銀行に相談することが重要
「家だけは守りたい」という方は、任意整理か個人再生かを状況に応じて選ぶことが大切です。必ず専門家に相談して最適な方法を選びましょう。